【#父親のモヤモヤ】
子どもが小学校へ入学すると、日々の子育て以外に関わりが出る一つがPTA活動です。学校とのつながりが増える一方、負担の大きさから敬遠されることもあり、父親の場合は「少数派」ということもモヤモヤの種となっています。広島県の会社員で40代の川内涼さんが小学校のPTA役員を引き受けた時は、15人のうち父親が会長以外おらず「初めは居心地が悪かったです」。「父親ももっと関わりたいのでは」と感じる場面もあったそうですが、翌年に会長を務め、次に引き継いだ時も、比率に変化は起きませんでした。「学校での子どもの様子を知れる貴重な機会でしたが、父親参加のハードルを感じました」と振り返ります。(withnews編集部・丹治翔) 【画像】「私にできたから、あなたも…」「意見するよりも、耐えた方が…」 PTAの「おかしな正論」たち 【#父親のモヤモヤが書籍になります】
昨年6月に始まった連載「#父親のモヤモヤ」が『妻に言えない夫の本音 仕事と子育てをめぐる葛藤の正体』というタイトルで、朝日新書(朝日新聞出版)から10月13日に発売されます。「イクメン」の誕生から10年。男性の育児が促される一方、葛藤を打ち明けられずに孤立する父親たち。直面する困難を検証し、子育てがしやすい社会のあり方を考える一冊です。詳細はhttps://amzn.to/2RhxPxw。
PTA会長は父親が「望ましい」
「本部役員に当選しました」 2018年春。5年生になる直前の長男が学校から持ち帰ってきた封筒を川内さんが開くと、次年度のPTA役員を依頼する文書が入っていました。ひとり息子の長男が通う学校では、役員希望者が定員に足りない場合、経験者などを除くPTA加入の家庭を対象としたくじ引きで選ばれる決まりです。 役員は保護者であれば、父親か母親かは問いません。「比較的スケジュールが立てやすい職場だったので、夜の会合なども参加しやすい私が役員になることにしました」と川内さん。それまで学校と関わりはありませんでしたが、幼稚園で「父親の会」に所属していたこともあり、親の活動に抵抗感はなく初めての会合に参加しました。 しかしその会合で、川内さんは驚きを隠せませんでした。役員は15人いましたが、父親が川内さんと会長だけで、ほか全員は母親だったからです。「父親の会のイメージがあったので、こんなに女性が多いとは思いませんでした」 会長になったもうひとりの父親は、前年度からの推薦でした。「会長は父親のほうが『望ましい』からだと聞きました」と川内さん。ほかの役員は同じようにくじ引きでしたが、父親の参加は川内さんだけでした。 「これから一緒に活動をするのに、ほかのメンバーからは『なんでお母さんが来ないんだろう』とはれ物に触る感じでした。『シングルファザーなのでは』という噂(うわさ)も出たようですPTA。昼の会合など、私が行けない時はもちろん妻が参加したので、いまでは笑い話になっていますが、最初はめちゃめちゃ居心地が悪かったです」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース